100年以上も続いてる家具メーカーが秋田県湯沢市にあることはご存じだろうか。日本で唯一、無垢材の曲木にこだわり続ける家具メーカーがあることをご存じだろうか。世界的に有名な日本の工業デザイナー剣持勇のスタッキングスツールをご存じだろうか。矢継早な問いかけになったが、この三つの問いは深い関係がある。
実は、無垢材を使った曲木のロングセラースタッキングスツールを作り続けている家具メーカーが、「秋田木工(あきたもっこう)」なのだ。私共では長年USED品を取り扱っていたが、今回、新品家具を取り扱いを開始した。そこで改めて、秋田木工の魅力を徹底取材してみた。
- 曲木家具とは
- 曲木の歴史
- 秋田木工の歴史
- こだわりと本物志向
- 100年続く職人技
- 秋田木工の技術力と有名デザイナー
- 愛される続けるロングセラー「202」
- まとめ
曲木(まげき)家具とは
木材を高温で蒸したり、煮沸して材料に力を加えて変形させ、
金型にはめてそのまま乾燥させ、曲線をもつ材料で作る家具。
曲木椅子の魅力は、しなやかな曲線で構成される美しさにあると言って良い。
一見耐久面に不安があるように見えるかもしれない。
しかし、柔構造になっているため、耐久性がある。
また、軽くて使いやすく手工芸的な味わいがあるため人気がある
曲木(まげき)の歴史
曲木の技術は、19世紀の中頃ドイツ人であるミカエル・トーネットMichael Thonet(1796年~1871年)によって完成された。
ミカエル・トーネットは、オーストリアに工場を建設し、豊富なブナ材を使って曲木家具の量産体制をとった。
その中心となったのは、椅子であった。曲線で構成した斬新な形が世に知れ渡り、ヨーロッパはもとより広く世界に普及し、トーネット社の曲木椅子として有名になった。日本に曲木の技術が入ってきたのは1907年(明治40年)頃と言われている。
秋田木工の歴史
1910年(明治43年)沓沢熊野助が秋田県湯沢駅前に「秋田曲木製作所」を設立。
1911年(明治44年)秋田県雄勝郡湯沢町字清水尻(現:湯沢市表町)に秋田木工株式会社が設立。
1958年(昭和33年)202号スタッキングスツールが「アパート生活展」へ出品。
1964年(昭和33年)剣持勇デザインの肘掛椅子(No207)がグッドデザインに選定。
1966年(昭和41年)福田友美デザインのダイニングチェア(No503)がグッドデザイン受賞。
1977年(昭和52年)柳宗理デザインの曲木鏡(No402、404)がグッドデザインに選定。
1987年(昭和62年)本社・工場が湯沢市関口(現在地)へ移転。
1991年(平成3年)剣持勇デザインのモダンチェア(No2801)がグッドデザインに選定。
2006年(平成18年)(株)大塚家具の子会社となる。
2013年(平成25年)スタッキングスツール(No202)がグッドデザイン「ロングライフデザイン賞」に選定。
秋田木工のイメージポスター
秋田木工のショールーム
秋田木工のブナ材
こだわりと本物志向
秋田木工の信念は、「木が木で立っていた時よりも美しく」。
曲木家具を作る工房は日本にも数社あるが、無垢材を曲げ立体的な曲木を専門とするのは秋田木工以外どこにもない。この秋田木工のこだわりは100年以上続いている。これは熟練の職人から若い職人へ繋ぐ歴史があって成せるものだ。
そして、「時を紡いでいく色褪せない『本物』を届け続けたい」と、いう願いが数々のグッドデザイン賞などのロングセラーの商品を生み出しているのだ。その秋田木工の職人たちは、雪深く冬の寒さが厳しい秋田の工場で日々作り続けている。
100年以上続く職人技
治具作り
曲木の家具を作り出すために欠かせない治具と呼ばれる鉄型。
仕上がりを左右するこの治具は機械では作れないため、全て職人の手作業。
実寸大の図面から木製の箱型を作り、製品の曲線を描くところから始まる治具作り。ボールペンで書かれたわずか0.5mmの線を頼りに、専用の機械で少しずつ鉄を叩き、作り上げる。
美しく身体にしっとりと馴染む曲線を生みだす要となるこの作業は、誰もが簡単にできるものではない。
曲木加工
圧力を受けて変形すると元に戻らない木の性質を利用した曲木加工。
100℃近くなる蒸気で長時間蒸し、水分を含ませた木材を鉄型に合わせてじっくりと曲げる。
力づくで曲げようとしても決して上手くいかない。
乾燥して硬くなる前に仕上げなければならないため、作業にかけられる時間はわずか5分。
この短時間にバランスを見ながら、製品によっては二人がかりで作業を行う。
切削加工
曲木加工を施した木材を乾燥させた後、製品の大まかなラインを削り出す。
組み立てに必要な穴あけやホゾ取りなども、緻密に計算しながら職人たちが加工する。金具をできるだけ使わずに組み立てる。このひと手間が、丈夫で軽く見た目も美しい椅子を生みだす。
機械の力を借りる事もある曲木。加工が難しい曲木家具づくりには専用の機械が必要。製品のパーツごとに必要な道具がそれぞれ違うため、流通している部品では賄いきれない。「ないものは、つくる。」が秋田木工の基本理念。鉄型同様に、道具も自社で製作しているのだ。
研磨加工
角ばっていた木材を丸く整え、製品のデザインに合わせて曲木の角度を調整する研磨。曲木加工の際に生じたわずかな傷や、凹みの修整も同時に行う。
職人がその手で確かめながら南京カンナと呼ばれる道具を何種類も使い分けながら繊細な曲線を紡ぎだしていく。
南京カンナで整えた後は表面を滑らかに磨く作業になる。リボン状のヤスリの間に曲木を通し、身体全体を使って長い木材を滑らせながら研磨。直接触れたときの感触や身体に優しくフィットする曲線は、一切妥協を許さない職人達が神経を研ぎ澄まし、磨き上げることによって生み出される逸品だ。
塗装作業
組み立てられた椅子は塗装の工程へと移る。ここで大切なのが組み立ての時にわずかな凹みやゆがみがないか確認作業。綺麗に仕上げるためにはこの時点での細かな修正が欠かせない。
着色は一度では終わらず、塗装と磨きを繰り返す。
途中に二度、手磨きを施す事で色よく仕上がるだけでなく、滑らかな手触りも加わる。
磨き上げた曲木に専用のエアーガンで着色するのもまた、職人の腕の見せ所。
塗装後、座面や背の張り加工を経て完成する。
秋田木工の技術力と有名デザイナー
秋田木工の「曲木」の高い技術力は、世界的に有名なデザイナーの剣持勇のスタッキングスツール(No202)や肘掛椅子(No207)柳宗理の曲木鏡(No402、404)など日本の巨匠たちによる、名作とも呼べる数々の作品を、共に作り上げている。曲木の技術を継承し、進化を続ける職人の熱い想いが秋田木工の強みでこだわりである。
愛される続けるロングセラー「202」
スタッキングスツール202の仕様
商品名 | スタッキングスツール 202 |
サイズ | 幅40cm 奥行き36cm 高さ44cm |
仕 様 |
主要木材:ブナ材、ナラ材 木部塗装:ナチュラル色、ウォールナット色 |
スタッキングスツール202は、一般的なスツールと比べ座面の幅が40cmで面積が広く安定した座り心地がある。面積が広い分鞄など物を置くのみ便利である。片手で持てるほどの軽さで老若男女から愛用されてスタッキングができるので狭い部屋やイベントなどの椅子としても人気だ。
デザイナー「剣持勇」
剣持勇(1912年~1971年)は、ジャパニーズ・モダンと呼ばれる礎を築いたインテリアデザイナー
1912年 東京府(現・東京都)生まれ
1932年 東京高等工芸学校木材工芸科(現・千葉大学工学部デザイン学科)を卒業。
卒業後、現在の経済産業省にあたる商工省の工藝指導所に入所。
1952年 経済産業省から半年間のアメリカ視察を命じられ、
アメリカでは、デザイナーの地位やモダンデザインなど刺激を受けて帰国。
帰国後、日本デザイン界の改革を目指した剣持は、柳宗理、渡辺力、長大作らの
仲間と共に日本インダストリアルデザイナー協会の設立(1952年)に尽力。
天然木の美しさ
秋田木工のスタッキングスツールは、無垢材の天然木のために木目は一点一点異なり、
ブナ材はきめが細かく、柔らかい印象の木目と風合いだ。
ナラ材は動きのある力強い印象で、虎斑と呼ばれる特有の木目が見られることもある。
【NEW】秋田木工 剣持勇デザイン スツール「No.202」ブナ材ナチュラル色 PVCアイボリー
◇サイズ(約)◇
本体/幅40.0 奥行き36.0 高さ44.0cm
◇主材◇
木材(ブナ)
PVC ※座面/アイボリー
◇メーカー型番◇
No.202
◇製造メーカー◇
秋田木工
◇デザイン◇
剣持勇
◇状態◇
新品
◇お支払い◇
クレジット決済(PayPaL)、銀行振込
◇配送◇
配送会社/ヤマト運輸
◇お届け日◇
※ご注文から約3週間程度のお届けになります。
¥24,000
税込 / 送料無料
次の地域は送料無料: 日本
- 在庫あり
- 配送期間:20-30日1
【NEW】秋田木工 剣持勇デザイン スツール 「No.202」ブナ材 ウォールナット色 布地オレンジ
◇サイズ(約)◇
本体/幅40.0 奥行き36.0 高さ44.0cm
◇主材◇
木材(ブナ)
布地 ※座面/オレンジ
◇メーカー型番◇
No.202
◇製造メーカー◇
秋田木工
◇デザイン◇
剣持勇
◇状態◇
新品
◇お支払い◇
クレジット決済(PayPaL)、銀行振込
◇配送◇
配送会社/ヤマト運輸
◇お届け日◇
※ご注文から約3週間程度のお届けになります。
¥24,000
税込 / 送料無料
次の地域は送料無料: 日本
- 在庫あり
- 配送期間:20-30日1
秋田木工「202」×秋田新幹線「こまちE6系」
【限定】秋田木工 AKIMOKU スタッキングスツール 剣持勇 NO202 ブナ材 白木塗装 座面/秋田新幹線こまち
◇サイズ(約)◇
本体/幅40.0 奥行き36.0 高さ44.0cm
◇主材◇
木材(ブナ)
布地(モケット)※座面
※秋田新幹線のE6系普通車腰掛けのモケット生地を採用
◇メーカー型番◇
No.202
◇製造メーカー◇
秋田木工
◇デザイン◇
剣持勇
◇状態◇
新品
◇お支払い◇
クレジット決済、銀行振込
◇配送◇
配送会社/ヤマト運輸
◇お届け日◇
※ご注文から約3週間程度のお届けになります。
¥30,600
税込 / 送料無料
次の地域は送料無料: 日本
- 在庫あり
- 配送期間:20-30日1
「復興版」スツール202-R
【復刻】秋田木工 復刻版 スタッキングスツール 剣持勇 NO.202-R ブナ材 ナチュラル色 座面/籐ラタン 曲木家具
◇サイズ(約)◇
本体/幅45.0 奥行き36.0 高さ45.0cm
◇主材◇
木材(ブナ)
籐ラタン※座面
◇メーカー型番◇
No.202-R
◇製造メーカー◇
秋田木工
◇デザイン◇
剣持勇
◇状態◇
新品
◇お支払い◇
クレジット決済(PayPaL)、銀行振込
◇配送◇
配送会社/ヤマト運輸
◇お届け日◇
※ご注文から約3週間程度のお届けになります。
¥32,900
税込 / 送料無料
次の地域は送料無料: 日本
- 在庫あり
- 配送期間:20-30日1
まとめ
今回、取材させていただいたことで、秋田木工は無垢材を三次元に曲げる鮮やかな技術を持った曲木家具メーカーであると改めて実感した。
専門の技術を持った職人の方々によって、一つ一つ丁寧に家具は作り上げられている。
その技術があるからこそ、1910年の創業以来、100年以上の歴史を築き、日本で唯一無二の無垢材の曲木家具専門ブランドになったと考える。
私共は長年、秋田木工のヴィンテージ家具を取り扱いさせていただいているが、「50年以上使ってもまだまだ大丈夫。安心してお使いいただけます」と、自信をもって皆さまにお伝えすることができる。私共の「ちょっとだけ贅沢に」長く使えると言うコンセプトと合致する日本の家具ブランドメーカーであると確信した。